仙台箪笥 sendaitansu

仙台箪笥は、江戸時代仙台藩の武士たちの内職仕事で作られました。刀や着物・証文など大切なものを収納するために武家の箪笥として使われた、堅牢で防犯性など実用性を重視する家具です。明治時代末期から仙台箪笥の種類や生産量が増えて、全盛期を迎えヨーロッパ諸国など輸出されるようになり、海外からの定評も集めました。戦時中に一時生産停止となりましたが、戦後には熟練した職人たちの手によって受け継がれ現在も続いています。

仙台箪笥senndaitannsu

仙台箪笥は美術品のような心を動かす美しい芸術品ですが、実用性も兼ね揃えた毎日の生活を豊かにする家具です。最高の家具を作るために、木の特性を生かした重要な木地作りから、熟練の職人が漆塗りの厚みや湿度などを計算して調整する巧みな技。欅と桐が使用され昔ながらの一枚板構造から突板構造など、現代の冷暖房が発達した暮らしに対応できるように研究を重ねています。
日本が誇る塗りの技術には「拭き漆」「木地呂漆塗り（きじろ）」「朱色漆塗り」があり、仙台箪笥の格調高い気品を引き出します。最後に飾り付ける金具へのこだわりもあり、龍や唐獅子・牡丹など武士の好みの重厚なデザインが特徴。打ち付けることでより丈夫でインテリアにも風格を与えます。洋室にも和室にも空間を選ばすに自由にアレンジできるアンティークな箪笥。明治時代から大正・昭和と時代を超えて作り続けられ、今もなお、私たちの生活に潤いを与える家具を作り続けています。